アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ

不労所得で資産を守ってのんびり暮らす

神と人と物。西洋美術と哲学で暴く人類のゆくえ③

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鉄と血の世紀

 

人類の最大の革命とは何か?いろいろ議論されながらも、上位に出てくるものに「火の使用」があります。

肉を焼いて寄生虫やばい菌を殺し、食べやすくできたことで栄養摂取が容易になって、知能の大幅な向上をもたらし。寒さをしのぐ暖房や、明かりを得るために火は大活躍した。

 

一方、縄文時代の竪穴式住居にあったいろりから、ベルばら時代フランス貴族の豪邸にあった暖炉まで、箱モノは立派になったけれども、肝心の中身つまり「火」は、変わりなく。つまり、電気・電球・電熱装置が発見された1789年くらいまでは、火をよりどころにした、人間の生活様式のエッセンスは変わらなかったという不思議な事実があるのです。

ベルサイユのばら(1975年)花組

https://www.youtube.com/watch?v=rUE_3EJ9vvQ

 

 

人間は神に与えられた「火」を使うことでかろうじて動物と分けられている非力な被造物でした。とある大事件が起きるまでは。

 

その大事件は「産業革命」(もっと正確には、第2次産業革命)

 

人間は電気、蒸気という、火よりも何倍もパワーのあるエネルギーを獲得し。産業革命からせいぜい200年くらいか?で光速ワープ的な進化を遂げたのでした。

 

この進化で、人類が学びなおしたものは

◎物質:人間は神が作った「概念」ではなく、肉体を持った「物質」である。そして、物質である人間は、工場、機械、そういった物質に影響を受けて生きている。

◎時間:工場では、材料が加工されて製品に変化する。人間も、神の思し召しである不変の毎日を過ごすのではなく、今日とは違う明日へ変化してゆく生命体であった。

そして、この進化をもっとも明確に提示するキーワードが「スピード」

 

遂に「神は死に」、「機械」の時代が始ったのでした。

この時代を代表するのが「未来派美術」。

主にイタリアで推進され、こんな感じの作品が多数生まれました。

夜行列車 1920

 

speeding_motorboat1923

 

ジーノ・セヴァリーニ「装甲列車」(1915年)

 

機関車は、未来派が好んで描いた題材の一つで、「機械の持つスピード、躍動、そして破壊や暴力」をぶちまけた。

おなじ機関車でも、機関車というモチーフそしてその周りで「楽しく遊んでいるいろいろな光の粒子たち」を「光に忠実という意味で」写実的に画面に落とした印象派とは画期的な違いが生じていることに注目。

左はモネのThe Gare Saint-Lazare1877。右はPippo Rizzo - Treno in corsa 1929

 

「破壊や暴力」という恐ろしい言葉が出てきてしまいました。

1909年、イタリアの全国紙「フィガロ」に、「未来派宣言」が掲載。

「我々は労働、快楽、反逆に衝き動かされる群衆を謳おう。首都にわき起こる革命の潮を謳おう。荒々しい電気の月光に浮かび上がる兵器庫や造船所の震える情熱を、煙を吐く蛇をむさぼり喰う貪欲な鉄道の駅を、煙の紐で雲から宙吊りにされた工場を、河を巨大な体操家のように跨いだ橋を、水平線を嗅ぎ回る冒険好きの汽船を、長いチューブの手綱をつけられた巨大な鋼鉄の馬のような、線路を蹴る胸の厚い機関車を、熱狂した群衆のように喝采するプロペラを持つ飛行機の滑らかな飛行を、謳おう。(https://pdmagazine.jp/people/futurism/)」

 

ここまでならともかく、

「戦争は美しいものである。なぜなら、ガスマスクや火焔放射器や戦車をあやつる人間の力が機械を支配していることを証明できるからだ。戦争は美しい」

と、一気に戦争賛美、暴力肯定に走ってしまい。

 

そしてエッセンスは

「機銃掃射のように彷徨する自動車は、「サモトラケのニケ」より美しい」

ここまで書けば、未来派がどういうものだったかが明らかになると思います。

 

つまり、

「王侯貴族や聖職者に都合よく押し付けられた既存の秩序を、機械文明の力で破壊しつくす運動」

 

唯物論が、神という絶対唯一の価値基準を粉砕し始めた時代。

マルクスが、この時代の一つの代表となる哲学を打ち立てました。

 

「Der Kapital」つまり「資本論」です。

 

あれ哲学じゃないの?いえいえ、マルクスにとっては、経済という物質世界こそが哲学だったのです。

つまり、世の中すべて物質。人も物質。

マルクスにとって、人間は神によって導かれる魂ではなく、物質によって規定される商品に過ぎなかったりします。

 

そして、労働者と資本家という感じに世界の人々を2分し。

 

アートになったマルクス。でも写真にしか見えない(マレーヴィチ)のは、ぼくだけでしょうか

 

 

続きは→ホームページ「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」のブログ最新記事でご参照ください。

 

 

*このブログは、ワールドプレスHP「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」のAmebloスピンオフです。以下、主要な項目のリンクに飛びます

◎精神世界:自己客観視の獲得からさらなる進化へ

◎経済的自由:まずは先立つものを。。。資産1億の達成

◎飛行機生活:小さな自家用機でいろいろ飛んでいます

 

以下、未来派絵画いろいろ

Fortunato Depero The New Babel plastic and mobile stage setting1930

 

corsa-ad-ostacoli(障害物競走)-1923

 

the-red-horseman-1913

 

Fortunato Depero, Skyscrapers and Tunnels ,1930

 

 

 

Dynamism of an Automobile, 1911

 

Dynamism_of_a_Dog_on_a_Leash_Albright-Knox_Art_Gallery-1912