アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ

不労所得で資産を守ってのんびり暮らす

操縦かんのお話

映画をみていると、悪いナチの戦闘機に襲われたB17爆撃機とか、やっぱり悪いゼロ戦に襲われたドーントレス爆撃機とか、果ては単に乱気流に巻き込まれた旅客機とか、きりもみや急降下にはいってしまい、それをパイロットが、両手で操縦かんを力の限り、ふんぬおー!とひっぱって、地面や海面すれすれで回復。。。というシーンを皆さん飽きるほどご覧になっていると思います。

というわけで、飛行機の操縦というのは操縦かんでするのななー?はいその通りです。

セスナの操縦かんはこんなかんじ

パブリックドメイン

 

 

インベーダーゲームのお人形さんみたいなやつが操縦輪です。

スペースインベーダー。https://hirocher.cocolog-nifty.com/holiday/2008/04/post_4169.html

 

 

このお人形さんの両手を握る感じで、ほいさー!と押し込んだり、ふんぬおー!と引っ張ったりして操縦します。

お人形さんじゃなかった操縦輪は、計器盤から生えているコラム(ほうきの柄みたいな棒)からワイヤーで昇降舵につながっており。

C*Uとは何か その1(技術的解説) | 彗星 (salamann.com)

 

 

前に押し込めば機首が下を向き、後ろに引っ張れば機首が上向くようになっているのでした。

よし、これならパイロットが心臓まひで4んじまっても、かわって操縦できるぞ!

ピッチ制御ならできますねーでもそれだけでは飛行機はちゃんと飛んでくれないのでした。

3次元空間で飛ぶ飛行機は、2次元空間の自動車と違い、ピッチと共にロールというものを制御する必要があり。

これは要すれば横転するか、あるいはしないで水平に飛ぶかということである。カーブを切る時には、横転気味にする必要があります。

このロールを行うのが、お人形さんすなわち操縦輪で、「輪」という名前でよく分かると思います。

この操縦輪をぐるっと右に回せば、飛行機は右に傾き。左も同様です。

ロールは「補助翼」というものを使います。こちらもほうきの柄とつながったワイヤで動かします。

 

C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)

 

 

映画だと、操縦輪をまっすぐ、ふんぬおー!と引っ張るだけで回復していますが、操縦輪をしっかり中立にしておかないと、きりもみという恐ろしいことになってしまいます。

よしよし、これでパイロットが4んじまっても、かわりに操縦できるぞ!

いやいやもう一つあるんですよ。

それが、機首を右に振るか、左に振るか、まっすぐ保つかという、「ヨー軸の制御」です。

これは操縦かんではなくて、ペダルで制御します。

ぼくが乗っている軽飛行機「こよーて」のペダル

 

 

ペダルもケーブルで方向舵につながっています。

右のペダルをぐっと踏み込めば機首は右を向き。左も同様です。

C*Uとは何か その2 (横の制御則) | 彗星 (salamann.com)

 

 

ちなみに、ピッチ、ロール、ヨーの3軸は下の図みたいな感じです。

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00367/contents/00006.htm

 

 

この3軸の制御ができるようになり、パイロットが4んじまっても、あなたが代わって操縦できるようになりました。めでたしめでたし

覚えておいて絶対損はないですよーこのブログの読者の多くは旅行大好きな素敵女子によって占められていますが、皆さんが乗る旅客機が酔っ払いみたいな動きをし始め、CAさんたちがべそをかいて騒ぎだしたときは、たぶんパイロットは4んじまっているので、あなたが代って操縦してあげてくださいね。

操縦輪にもいろいろな形があり。

セスナ140 https://www.aopa.org/news-and-media/all-news/2022/july/pilot/from-the-editor-staying-sharp

 

 

セスナ150 https://www.aopa.org/news-and-media/all-news/2023/april/pilot/the-best-150-on-earth

 

 

セスナ172 https://www.flyingmag.com/cessna-172-still-relevant/

 

 

セスナ140のヨーク(操縦輪)なんて、アートですよねー

一方、操縦輪ではなく、操縦かん(スティック)という、床から生えている棒で制御するのもあり。

スポーツ機とか、昔の戦闘機などが多用しています。

零戦の操縦かん https://jpgazowork.blogspot.com/2021/03/10000-222340.html

 

 

こちらは、操縦かんを前に倒して機首下げ、後ろに倒して機首上げ。左に倒せば左にロールし、右も同様です。

へんなのに、スピットファイアーの操縦かんがあり。

https://www.airliners.net/photo/UK-Air-Force/Supermarine-356-Spitfire-F22/1526234/L

 

 

べつにこれでシャボン玉を作ろうというのではなく。ふんぬおー!と両手で引っ張る時に、両手でこのわっかを握ることができるように、ということらしい。

スピットファイアだけではなく、第1次大戦のキャメル複葉戦闘機などからすでにこのかたちの操縦かんだったらしい。

キャメルのは三角形でした https://www.pinterest.jp/pin/407083253805236196/

 

 

でも、イギリスだけで、ほかの国にはこうゆうのは見当たらず。イギリス人の手とか関節はどこかねじれているのかもしれません。

今どきの軽飛行機(LSA)でも操縦かん(スティック)形式のが多く。

こよーてもスティックです

コヨーテのスティック

 

 

飛行機の操縦装置は、デュアルといって、機長、副操縦士それぞれに並列に計2組、つまり操縦かん(操縦輪)も2つ、というのが普通ですが、操縦席の真ん中に一本だけというのもあり。こちらは、だいたい先端がY字型になっており、機長(左席)が操縦するときはY字の左のグリップで、副操縦士の場合は右のグリップで、となるらしい。

https://www.pilotmix.com/bravo-700

 

 

 

いずれにしても、飛行機の操縦かんは、操縦輪(ヨーク)形式と操縦かん(スティック)形式に大別されるのです。

それぞれ特徴がありますが、ヨーク式のやつは大きな旅客機や輸送機など、えいや!と大きくメリハリのついた動きで、舵の効きはじめを確実に捉え、効いてきて惰性がついてきたら、これまたえいや!と中立に大きくもどす、というような動作に向いているらしい。747は操縦したことはないので、また聞きですけど。

ぼくの乗っているような軽飛行機では、ちょっとした横風でたちまち機体が木の葉のように揺れてしまうので、機敏な操縦かんの操作で対処する必要があり。また、ちょっと動かすだけできびきびと姿勢を制御できるので、やっぱり軽飛行機はスティックだね!と思っています。

一方、セスナなど小型機でもヨーク形式が多いのには理由があって、操縦を習うには縦の制御(ピッチ)と横転(ロール)をそれぞれしっかり体感するのが大切ですが、ヨーク形式であればヨークをそれぞれ押し込む、回す、とわかりやすく分割して操作できるので学びやすいし、そもそも軽飛行機の製造目的の一つに練習機としての利用があり。ゆくゆくジェット旅客機(ヨーク式)のパイロットを目指すというケースでとても重要なのであった。

ただ、床から生えているスティック式の操縦かんを両ひざの間で操作、というのはセクシーに感じる女性もいるらしく。デートなどの遊覧飛行では、スティックの方がいいかも?ただ、離陸前の昇降舵チェックつまりスティックを限界まで倒そうとすると、だいたい隣の女性がおなかに抱えているハンドバッグにぶつかって、あああごめんどけてね?となってしまうのであった。

ヨーク式だったらこれは防げるんですけどねー

いいとこどりをしようとしたのか?セスナ162があり。

https://youcanfly.aopa.org/flying-clubs/flying-club-newsletter/2017/november/19/aircraft-spotlight

 

 

こちらは、計器盤から生えているけれど、操縦輪ではなくてスティックになっています。

ピッチとローの分割や、繊細な操作の双方ができるのではないかな?乗ってみたい飛行機です。

 

今どきの飛行機では、サイドスティックなどというのもあり。エアバスや軍用機などで多用されているようですが、なんか電線で舵面操作しているみたいで、フライトシムと同じになってしまい、飛行機の挙動を文字通りスティックとラダーで感じることができなくなっちゃうんじゃね?と思います。

https://www.flyhpa.com/aircraft/2006-columbia-400/

 

 

 

グラスコクピットにサイドスティックのセスナ400。今どきの飛行機はつまんないですねえ

https://www.flickr.com/photos/danielrpopinga/8625338205

 

 

その点ボーイングはがんこに操縦輪を継承しており。こういくことを書くぼくも新大陸(アメリカ大陸)の飛行機乗りなのかもしれません。ヨーロッパでLSAなど飛ばしている人たちがどう感じているか、知っていたらコメントなど頂ければ幸いです。

飛行機の操縦には、操縦かんの他にラダー(ペダル)も重要ですが、3000字を超えたので別の記事にします。

最後に、自衛隊教官の見事な操縦桿さばきを掲載。12:12からご覧ください

これで、人間ウオッシュレットとかがなければいいんですけど https://www.youtube.com/watch?v=c4j8gkIbJUo&t=1074s

 

 

ではでは。。。