アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ

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日航123便

本来は安全そのもののはずの飛行機。それでも、重大な事故は残念ながら発生し、そのたびごとに教訓が取り入れられて、安全な空の旅が構築されてきました。

そんな事故の中で、特に日本人の記憶の中に生き続けているのが、日本航空123便墜落事故。

「1985年(昭和60年)8月12日(月曜日)、日本航空123便(ボーイング747SR-100型機)が群馬県多野郡上野村の山中ヘ墜落した航空事故である。単独機での事故、また運航する航空会社の責任による事故では世界最悪の航空事故である。(Wikipedia)」となっています。

乗客509名、乗員15名の内、負傷者4名以外の520名が死亡という未曽有の大事故でした。

https://aviation-safety.net/photo/9304/Boeing-747-SR46-JA8119

 

 

羽田空港から伊丹空港への国内定期便で、Wikipediaによれば「18時12分に羽田を離陸した123便は、伊豆半島南部の東岸上空に差し掛かる頃、機体後部の圧力隔壁が破損、垂直尾翼と補助動力装置が脱落し、油圧操縦システムを全喪失、操縦不能に陥り迷走飛行の末、18時56分28秒ごろ群馬県多野郡上野村の高天原山の尾根(標高1,565メートル、通称御巣鷹の尾根)に墜落した。」

つまり、44分程度の飛行だったということですね。

離陸後12分ごろ、高度7300メートル近く、巡航高度にもう少しという上昇中に衝撃音が発生し、「機体は、垂直尾翼は垂直安定板の下半分のみを残して破壊され、補助動力装置も喪失、油圧操縦システムの4系統全てに損傷が及んだ結果、操縦システムに必要な作動油が全て流出し、油圧を使用したエレベーター(昇降舵)やエルロン(補助翼)の操舵が不能になった(Wikipedia)」

要すれば操縦かんやペダルが死んじゃったららしい。

その後、4発あるエンジンのスロットル操作や、フラップの上げ下げで必死に操作を試みるも、「ほとんどコントロールができない機体にはフゴイド運動やダッチロールが生じ、ピッチングとヨーイング、ローリングを繰り返し(Wikipedia)」墜落。

フゴイド運動

https://www.researchgate.net/figure/3-Phugoid-mode-demonstration_fig7_225291571

 

 

ダッチロール

https://bukiyoublog.com/aircraft-what-is-dutch-roll

 

 

それでも、ほとんど操縦不能になってから32分近く飛行機を飛ばし続けたわけで、垂直尾翼が吹き飛んだこともわからないコクピットでここまでというのは、神業というしかないと思います。

ちなみに、事故調査などの段階で、なぜ垂直尾翼が吹き飛んだのかが分かったのか?ダッチロールなどの事故機の挙動から、この投稿でも、墜落の原因として垂直尾翼の喪失があったという前提で進めます。(ちなみに、この垂直尾翼は、のちに海面・海中から引き揚げられたとか引き上げられなかったとかいろいろ意見があるようです)。

未曽有の大事故の原因となった垂直尾翼の破損ですが、この破損が起きた理由として、現在に至り大議論になっています。

議論では2つの正反対の主張があり。

  1. 外的要因:ミサイルや標的機など。
  2. 内的要因:機内の与圧隔壁が破壊され、尾翼も破壊したなど。

政府側というか有識者側の見解は➁であり、国民の大多数も同調していますが、一方①を主張する人々も多く。

議論は収まることなく、平行線をたどったままいつまでも続いています。

標的機オレンジエア

http://torakyojin88.web.fc2.com/ats4203.html

 

 

ここで、とても胡散臭いものを感じてしまっています。

たしかに「常識派の➁に、厨二病の①がトンデモ陰謀論をふっかけている」と言える一方で「実は日本政府(自衛隊、米軍)の失態である①だったのを、識者側がごまかして➁にしようとしている」とも絶対に言えないということはないのですが、なんか①➁の二極化で、何かを隠蔽しようとしているのでは、と勘繰ってしまうのです。

はっきり言って、①も➁も、根源では同じことを言っているからです。

その根源とは「たまたま、この飛行機(個体)に生じた事故であり、ほかの同型機には関係ない」という理解(誘導)です。

  1. の場合、ミサイルなどが命中しなければ123便は何ら問題なく飛行していた。747は安全な飛行機だ、という主張ですし、
  2. の場合は、以前の尻もち事故だの、123便の機体に特化した理由が事故発生につながったため、尻もちなどをしていない他の747同型機には起こりえない事故ですよ、という主張になっています。

つまり、両者ともに「747という飛行機は安全であり、尻もちだのミサイルだのがなければ事故なんて起こさない」と刷り込みたいように見えてしまいます。

747という機種自体がもともと持っていたかもしれない欠陥によって墜落した可能性があるのに、ミサイルや標的機、あるいは隔壁故障修理のずさんさという外部要因で隠蔽し、議論を紛糾させようとしたのでしょうか。

分かりやすくするために、イギリスのコメット旅客機の例があります。

コメット旅客機は、ジェット旅客機のはしりとして、世界の空を制覇するはずでした。

コメット旅客機(パブリックドメイン)

 

 

ところが、謎の空中分解が多発し。

必死の事故原因究明によって、ミサイルでも標的機でもなく、いわんや尻もち事故の修理失敗でもなく、コメット旅客機全機がもともと持っていた欠陥によって墜落していたということが明らかになりました。

その欠陥とは「四角い窓」

 

 

DC3など、与圧しない飛行機は、別に窓が四角かろうが、あるいはドアが飛行中に落っこちようが、それ自体によって飛行性能が落ちることはありません。

しかし、与圧装置の付いた飛行機の場合、ちょっとした亀裂の発生から、機体内外の気圧差によって、機体が引きちぎられて分解だ、ということが起きかねないのです。

四角い窓は、窓の鋭角になった部分が与圧による気圧のストレスに耐えられなくなり、亀裂発生、空中分解をまねいていたのです。

この教訓から、現在の旅客機はみな窓の角がまるまった形になっています。

さて、ボーイング747ですが、飛行機は人間の作った機械であり、故障もすれば墜落もします。

この事故では、原因は隔壁破壊、油圧システム故障などとなっています。

しかし、実はボーイング社の飛行機を全面的にリコールし、アメリカによる耐空証明を抜本的に見直さなければなければならないような危険を含んだ何かの欠陥はなかったのでしょうか。

ミサイル対隔壁(油圧)、という議論が過熱して、それ以外の選択肢は顧みられることがなくなり。

隔壁以上の危険な故障はなかったんだ、という隠蔽はなかったのでしょうか。

747の後部隔壁(国土交通省による破損状況の考察)

https://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kaisetsu.pdf

 

 

日本政府(やエアライン各社)はボーイング社と協力し、その後の整備などを改善し、747は安全な飛行機に生まれ変わりました。

ボーイング社の飛行機が一斉に飛行禁止になるとか、あるいは米国の耐空証明プロセスに欠陥が発見され、世界の旅客機がグラウンドにくぎ付け、という事にならずに解決したのは、ボーイング社と日米政府の勇気ある対処の結果だと理解します。

幸い747については、コメットのような欠陥というのは杞憂だったようですね。一方、今回取り上げたような大事故から、次の事故を真に防止する情報を得るために、利用者の一人一人が権威やトンデモ論に振り回されずに原因究明をウオッチすることが重要と思っています。

自衛隊決死の救助作業

http://tasogarech.blog.jp/archives/9890872.html

 

 

ではでは。

 

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