今回は、飛行機マニア向けの内容になっちゃった!でも、ちょっとだけ紫微斗数のお話も入れているし、素敵女子の皆様も、みんなで、いいね!してね!
さて。。。
米国の航空ショーでは、Warbirdsといって、第二次大戦当時の戦闘機がたくさん展示され、大盛況です。
クラッシックプレーンの魅力が、世代や国籍を超えて人々を引き付けるのだと思います。
ピストンエンジン機として発達の頂点に到達したこれらの飛行機たちは、国は違ってもスタイルはかなり似たものになっています。以下、Pixabay無料画像から各国の戦闘機をピックアップしました(なぜか零戦やグラマンは発見できず、かなしいな)
イタリア、スイス(ドイツから輸入)の戦闘機
アメリカとソ連
太っちょの空冷星型エンジン戦闘機
ほっそりした液冷エンジン戦闘機
これらの写真を見れば、
◎低翼単葉全金属、1人乗りの密閉式キャノピー
といった特徴があり(例外として、木製とか、双発や、中翼などもある)。
違う国々で開発しても、最先端技術を求めると、おのずとデザインも似通ってくるという事なのだと思います。
例えば、ドイツのBF109とイギリスのスピットファイアは、いずれも
◎液冷式、ファストバック(胴体と一体になったキャノピー)、低翼下面に冷却器配置
などなど、両国でスパイ合戦でもあったのか?みたいに似通っています。
Bf109
スピットファイア
上記は至近距離からの鮮明な画像なので、スピットファイアのほうが丸っこいなみたいにわかるのですが、ちょっと遠くになれば、いずれもとんがった機首のほそっこい戦闘機で、どっちがどっちなんだ?となると思います。
日本にも「飛燕」というとんがった機首の戦闘機があり。
飛燕
この飛行機を見たアメリカ戦闘機は「Bf109だ!」と勘違いしてしまい。
その程度ならともかく、日本の戦闘機や防空陣地からは「P51だ!」と間違われて攻撃されてしまうというかわいそうな飛行機だったそうです。
P51
では、性能も似通っていたのでしょうか。
それがそんなことはなく。それぞれが個性あふれる性能を発揮していたのでした。
例えば、Bf109とスピットファイア。
スピットファイアは、当時世界最高の技術水準を持っていた英国がその最先端技術を盛り込んだ戦闘機で、薄くて楕円形の翼など、素直に「どんな主翼なら戦闘機として最大の性能を発揮できるか?」を追求したものとなり。「大迎角での誘導抵抗の減少、翼端失速の防止、翼内武装の充実、高速といった長所(Wikipedia)」が得られました。つまり、スピットファイアは零戦と互角の格闘戦ができるし、一方でBF109と最高速を競い合うというスピ―ドも出せるという、なんでもOK、オールマイティの「天相星」みたいな戦闘機になりました。すごいな
*「天相星」とか、紫微斗数の言葉が出ましたが、別にスルーしてもOKです。紫微斗数が好きな人は、あそういうことか、と納得されるかもしれません。
さて、第1次大戦の傷を引きずり、イギリスほどオールマィティな産業のすそ野を持たなかったドイツですが、第3帝国による世界征服の悲願を達成するためには、世界一の戦闘機が必須であり。
ハインケルの楕円翼とか、スピードを出すには貢献したが、スピットファイアのように運動性や翼内の機銃格納といった応じ技をひねくりだすに至らず。
どうしよう。。。
と、なやんだあげく「エンジンにモノを言わせるしかないんじゃね?」という結論になり。
飛行機にもいろいろあり。安く安全に大量の旅客を運ぶための旅客機と、上昇だの下降だのを目まぐるしく行い、機銃をぶっぱなす戦闘機では、エンジンのつけ方も180度違い。
今時の飛行機ですが、ボーイング747を見てみます。
https://www.wikiwand.com/ja/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0747-400
エンジンは、胴体に比べて20分の一くらいの大きさしかなく。よくこんな小さなエンジン4基であの巨体が持ち上げられるものですねー。
BF109になると
なんと、胴体全長の5分の1ほどをエンジンが占めているのでした。
http://propeller3.blog61.fc2.com/blog-entry-86.html
それって戦闘機はみんな一緒なんじゃね?
いやいやそうでもないんですよー例えば実質同じDB601エンジンを積んだBf109と飛燕の大きさを比べると、こうなります。
画像はこちらからお借りしました
https://tabletopwarrior.blog.ss-blog.jp/2009-11-12
これは飛燕が大きいのではなくて、Bf109が一回り小さいのです。
ぱっと見は、BF109と飛燕は「ブルゾンちえみと渡辺直美」で、どっちがどっちだかわからないが、並べてみると、かたや「栄養失調で縮んでしまったブルゾン」かたや「肥満していよいよ肥大化した渡辺直美」くらいの違いにはなるのである。
あやめにかきつばたのような美人。無理か。。。
https://www.excite.co.jp/news/article/Fumumu_127066/
なんのこっちゃ?でも、この違いは超重要なのです。
以前、スピード競技機のお話をしたときに、
スピードを出すためには
①とにかく大馬力のエンジンが欲しい
②そして、とにかく空気抵抗を減少させたい
この2つが重要です。
と書きました。
その結果、安定性だのなんだのを犠牲にして、ともかくでかいエンジンに、必要最小限の翼をつけよう、ということになり、
こんな飛行機が生まれました。
https://ocoze.net/pulamo/02tannyou/32/GB-R1/GB-R1.html
空飛ぶビヤ樽、ジービー・レーサー
BF109も同じような思想で生まれ。
BF109は、機体に対するエンジンパワーの効率という点では、世界のどんな戦闘機をも凌駕することとなり。(後に二式戦とかライバルが出てきますが)
すげーじゃんやっぱりドイツ人て頭がいいね!
と言いたいところなのですが。。。。
エンジンでかすぎ、プロペラもでかすぎ。つまり主脚を長く大きくせざるを得なくなり、重量増加にならないために、付け根を胴体の骨格に組み合わせたのはいいが、そのため轍間距離が取れなくなってしまい、着陸時の安定性が損なわれてしまいました。
プロペラで地面をこすらないために、地上での姿勢は機首を天につくように突っ立ってしまい、俯角が大きすぎて翼に揚力が生まれず、離陸できないので、主翼の前縁に「自動スラット(低速時は開いて、高速時は閉じる)」をつけて主翼の気流をなんとか整え、離陸できるようにし。
前縁スラットと後縁のフラップ
出展:https://www.tamiya.com/japan/products/61117/index.html
無理やり離陸できるようにはなったが、翼が小さすぎ、機重を支えきれないため、今度は着陸が異様にやりにくくなってしまい。
空気抵抗削減のために小さく機体に埋め込んだようなキャノピーで、ろくに前も見えないパイロットが、必死になって機体を安定させるのですが、すなおに着地してくれず、ぼよよーんと飛び跳ねて機首から地面に突っ込んだりするような事故が絶えなかったらしい
それでも空に上がってしまえば、加速やロール性能など、今度は小さなつばさの利点が出てきて、エンジンパワーに物を言わせてスピットの完成された翼とも互角で戦えたらしい。ただし、高速、高G機動で補助翼がスナッチ(取られる)など、やばい癖もあったらしく。
つまり、BF109とは、ケンカにはめっぽう強いが、一方でものすごく扱いにくい、いわゆる「破軍星」みたいな飛行機になってしまったのである。
Bf109がどんな飛行機かを端的に物語っているのが水平尾翼。
基本、尾翼特に水平尾翼の配置は、主翼から発生する乱気流との戦いといってよく。
Bf109の場合、地上滑走時の機首上げ角度がきついので、気流が当たらずエレベータが効かないのと、主翼のスラット作動時に発生する乱気流を避けるため、水平尾翼の位置を上にあげて、いわゆる十字尾翼になってます。でも、垂直尾翼という細い足場なので、つっかい棒を立てて振動を防いでいます。
画像出展 https://www.1999.co.jp/image/10000361/10/1
スピットファイアや零戦など、操縦性のいい飛行機は、尾翼と主翼のバランスもとれていて、パイロット目線で見るとなんか安心します。
Bf109は、なんでつっかい棒までして十字尾翼にするのか?という、なにかアンバランスな歪みを余儀なくされた飛行機だ、という事なのですよね。東の大横綱をBF109とすれば、西の大横綱にF4Uがあり、こちらも後家製造機として有名になりましたが、やはり珍妙な位置に水平尾翼が付いています。
変な位置の水平尾翼、というと、二式戦があり。
鍾馗の水平尾翼は、垂直尾翼よりものすごく前にあるみたいですが、これは垂直尾翼のほうを後ろに持って行った設計で、射撃時の安定性が抜群だったらしい。
https://www.webmodelers.com/201608katoushouki.html
最後に、ぼく個人の話で恐縮ながら。。。。
高翼機あるあるですが、水平尾翼が主翼と同じ高さないしはさらに低い場合があり。別にインメルマンとかはやらない、そのへんをのこのこ遊覧飛行するための軽飛行機なら、これが一番安定して、楽しく飛ぶことができます。
ではでは。。。。
*このブログは、ワールドプレスHP「アーリーリタイア・軽飛行機で空を飛ぶ」のAmebloスピンオフです。以下、主要な項目のリンクに飛びます